2012年10月06日

カーネーション 『SWEET ROMANCE』 全曲語り

SWEET_ROMANCE_jkt_web.jpg いやあ、出ました カーネーション 3年ぶり15枚目のアルバム 『SWEET ROMANCE』! 毎日聴いてるよ、繰り返し繰り返し。やっと感想を書こうかな、いや、書かなくては!という気持ちになっているので勢いで書こうと思う。こんなに猛烈に書きたいのも久しぶりだし、読みにくかったらごめんよ。あああと、カーネーション聴き始めたばかりの人は読まない方がいいかも。私重いんで!

 『Velvet Velvet』 から 3年、その間に (バンドのこととは別に) いろんなことがあって、カーネーションは次にどんなアルバムを作るのか、私はずっと、なかなか想像できずにいた。『Velvet Velvet』 の世界があまりにも心地よすぎたのと、ミニアルバム 『UTOPIA』 を経て、その先を考えるのが、少し怖かったというのもあるかな。

 聴いて最初に思ったのは、なんてむき出しなんだろう! ってこと。とても感情的なアルバムだと思った。今までにないくらい。気持ちが伝わってきて溢れそうになった。 『Velvet Velvet』 の時のように手放しで、「きゃーーっ!すごいっ!さいこうーー!」 ってなんて、言えなかった。

 けど、繰り返し繰り返し聴いていたら、たぶん、5回目くらい、とメモってあるけど、あるときふと、その気持ち、感情を超えた? と思ったときがあって、そうして、湯浅さんのライナー、 「分析する前に聴け。やっている本人の言葉ではなく、自分の耳に訊け」 というのが急に胸に来て、どわわーっと泣けてしまった。

 「抜けた」 というのは最初に私が思ってたのとは意味が違うね。ものすごく深いアルバムだと思う。初期衝動でそのまま突っ走るのとは違う。立ち止まって自分の中としっかり話し合ったから、私にとってこれはすごく大事なアルバムになると思う。って重たくてごめんよー。あ、ダメと思った人はこれ以上読まないで〜!


01. Spike & Me
噂に聞いてたアルバムの第一声、大谷さんのラップ。これかー!(笑)。低く響いてすごいいい声。しかし続く直枝さんの声にぎゅん!となる。ねちっこー! ピアノの音がとても柔かい。インストでよく分かるんだけど、靴で床を鳴らしてるような音が聴こえる…。て、実際は何の音だろ? ベースもぶりぶりにカッコイイ!

02. I LOVE YOU
「ロック画報」 の付録に付いてたデモは大好きでほんっとに聴き倒した大好きな曲。 PV が! PV がもうすごい素敵! 「一年遅れで届くこの気持ち」。この曲とは関係ないけど、そうなんだよなー。時差があるのは分かってるけど、アルバム制作中、その前の直枝さんの 「今」 に、やっと追いついたんだなと、アルバム聴いて思ったりした。

03. In Dreams
謎だらけの歌詞なのに、どーしたらいいか分かんないくらい胸にズキンときた。 「自分以外の世界はつじつまがあうものだ」 。ちょっといろいろ考えちゃったな。 『Velvet Velvet』 の 「For Your Love」 に近いような裏切られ感(笑)。しかし、かっこいいな…。直枝さんのこの、少し苛立ったみたいに振り回すくらいの勢いが、男らしくって好き。きゅん。

04. なんかへん
なんかへんな歌!(笑)。何がなんかへんなのか分からないよ〜。けどなんかニヤニヤしてしまう。先日、この曲の自分内妄想を友人たちに披露したら、傑作すぎてピッタリすぎてもうそういう歌にしか聞こえないという評判。(ほっといてください)。梅津さんのサックスめっちゃカッコイイ。

05. Station
ドラムがすごいいいー! ラララ…のところ、なんだかとっても懐かしい気持ちになってぎゅーっとなるのはなんだろう? タンタン…ていうスネアの音、女の人の声交じりのラララのコーラス、このテンポ。あと、続くボコーダー使った 「顔にはねた…」 のとこ。もうやめてくれっていうくらい奥野さんが大活躍とのこと。寂しい感じの曲だけど、そのエピソード聞いてふっと軽くなった。

06. Bye Bye
こんなにドリーミーなのに、なんて悲しい曲なんだろう…。というのが最初の感想。私 「さよなら」 って苦手なんだよね…。まあ得意な人なんかいないと思うけど。考えるとすっごく悲しくなてしまう。だから、考えないようにしてるところがある。…けどこの曲は、本当は、その向こう側の歌なんだよね。私も、いつかはその境地に達したいと思うけども…。岡村みどりさんのアレンジほんと素敵! ジャケットそのまんまのイメージだなー。

07. Gimme Something, I Need Your Lovin'
まずもうこのタイトルにしびれた! どんな歌なんだろう? と、トラックリスト見て一番楽しみにしていた曲。なんてアゲアゲな踊れる曲! そして途中から絡んでくるさっちんのコーラスが素敵〜。グラフィティでの試聴会でこの早口なフレーズを大田さんがスラスラ口ずさんでいてなんか悔しかった(笑)。

08. 口笛ふいて
早いうちからライヴで演奏されていた曲。私はなぜか映画 「スワロウテイル」 の一場面を思い出す。イントロのとこのギターがすんごく直枝さんぽいなーって思ってくーっとなる。リクオさんのピアノがめちゃめちゃかっこいい! またどこかツアーで参加してほしいなー。

09. UTOPIA
ミニアルバムのときはちょっと戸惑ってしまったけど、こうしてアルバムの中に納まることで、私の中ではつながった、という感じがした。 『Velvet Velvet』 から 『SWEET ROMANCE』 をつなぐ曲。 山本精一さんのギターのことを、螺旋のように絡まりながらすれ違う、みたいに書いていたのは曽我部さんだっけ? そのつかず離れずな感じのギターがとっても好き。

10. 未来図
大田さん初メインヴォーカル! 大田さんの歌はとても優しくてまっすぐだよね。 「大田さんがそこにいる安心感」 というのを私はよく言うのだけど、この歌はほんとに大田さんにピッタリだと思う。スタッフ横尾さんのクレジットにびっくり! ここ、江ノ島でブラウンノーズが歌ったのも印象に残ってる。子供が歌ってるみたいなイメージなのかなー。

11. 遠くへ
この曲の好きなところならいくらでも書ける。出だしのタンバリンとギターだけでも、直枝さんが砂利を踏みしめながらゆっくり歩いているところが目に浮かぶし、直枝さんが思い描いている景色も思い浮かぶ。回想シーンから行ったり戻ったり、特に最後、崖の上に登ってレールに耳を当てる景色が大好きすぎる。

弾き語りで何度か聴くうちにだんだんと私の中でも景色がハッキリしてきてた。この曲は、直枝さんのソロ曲になるだろうと思ったよ。だけど、バンドでこんな風になるなんて!って本当に驚いた。こんなにゴージャスになっても、言葉が演奏の後ろへ行くどころか、前へ前へ出てきている。細かく刻むドラムにゆったりとしたベース、絡むソプラノサックス。ゆっくりと歩く直枝さん。これがどんな奇跡だったのか。

12. Bye Bye(Reprise)
グラフィティで聴いた時の声の近さ。夢の中で森の中を歩いていて、木漏れ日がさしていて、風がそよいでいて、小鳥が鳴いていて…。いつまでもここにいたいけど、そこにミラクルゲートみたいなのが現れて、私はもう行かなくちゃならない。 「もう逃げやしない、ぼくはここにいるよ」 その声を確かめて、そして本を閉じる。

* * *

 直枝さんの表情は、この一年くらいでまたすごく変わったような気がする。穏やかで柔らかで、本当になんて顔するんだろう!っていうくらい優しい顔してる。だからきっと、忙しい毎日だけど、いろいろ充実していて心情的には穏やかなのだろうと思っていた。だけど、このアルバムを受け取って、ほんとはそうじゃないんだなーと思った。

 あまりにも深い感情、いろんなヘヴィなことを誰よりも真正面から受け止めてしまうから、どんなことにも動じない、表には出さない、そういう術みたいなものをマスターしたのかなーとか。…分かんないけどね。でも、最近のあの穏やかさは、ただ歳をを重ねてきただけじゃない。伝えたいことは音楽で伝える、そういうことなのかなと思ったら、なんかもう胸がいっぱい。

 カーネーションが 2人になって 2枚目のアルバム。 「誰を呼ぶか、というところからアレンジになってる」 って、レコーディングの時のことを本当に嬉しそうに話していて、あー今ってすごくいいなぁと思う。5人より 3人、3人より 2人の方が、すごくバンドっぽい。

 いつだったかのラジオで震災の話が出たときに、大田さんは 「そのことは考えないようにしてる。考えないわけにはいかないから、それはもうそこにあるんだから、その上で、あんまり暗くならないようにしたい」 というようなことを話していて、これだから大田さんなのよ!って思った。これだから、カーネーションは大田さんなんだよなーって思う。

* * *

 ああ、本当はもっと書こうと思ったことこの下にばらばらとメモ書きしてあるんだけど、もう限界だ(笑)。ツアーが始まるまでに書いておきたかったんだよね。久しぶり過ぎて大変だったよ。明日(今日)から大ツアー。各土地で感じたこと、少しでも書き留められたらいいなぁ…。
posted by あや at 03:40| Comment(0) | TrackBack(0) | カーネーション | 更新情報をチェックする
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