2017年11月05日

カーネーション 『Suburban Baroque』 全曲語り

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 9月13日の発売からもうずいぶん経っているし、この人今回書くつもりあるんだろうかどうなんだろうかと覗きに来た人が居るのか居ないのか分からないけど、自分の記録のためにこれだけは書いておく。

 カーネーション 『Suburban Baroque』 もうーー最高だし! ずっとずっとずーーっと聴き続けている。聴きながらどんどん思ったことを書き留めていたもんだから、それが膨大過ぎて収拾付かなくなってもうー大変(笑)。聴けば聞くほど印象が変わって来るので早く書きたい!と思っていたのだけど、なにしろ時間が取れなくて取れなくて。

 何十回、いや 100回は聴いたんじゃないかと思うけど、新しい発見も次々出てくるし、その時の自分の状態によりいろんな想いがたくさん引き出されてくる。最初はげらげら笑い、10何巡目か 20何巡目かでボロボロ泣いて、時間差で届いてくるものにあら?と思うこともある。思えばカーネーションってそうなのよね。そういう意味でも、とってもカーネーションらしいアルバムだと思う。うううっ、ありがとう、ありがとうカーネーション!

 で、感想なのだけど、音楽的なところは他の詳しいみなさんが語っているので、私は私の担当を、めんどくさい感じに書きますよ。それと、もうすでにいろんなところで直枝さんやいろんな人のお話を聞いてきたのでその話も入ってる。時間差もありちょっとおかしな感じになってるかも…。 


1. Shooting Star

 なんてワクワクする曲なんだろう! 5月のライヴで一度聴いたあとは弾き語りでもずっとやらなくて、アルバムバージョンを最初に聴いたのはラジオの公録だった。一発でノックダウン! すっごいカーネーションだよね! これだよね! これこれ!

 ほんと私がカーネーションに本格的にハマったアルバム『Girlfriend Army』の頃の空気そのもの。ドラムがしゃかしゃかしてる、それかもしれない。なんてったって矢部さんだもの!

 そして聴けば聴くほどに歌詞が刺さる。「きみらしいとこみせてくれ」なんて、ちょっと弱ってるときに聴いたら涙出るし、「数えきれないほどの旅をしようよ」なんて言われたらもうほら、追っかけ応援ソングかなとか思っちゃうから!

2. Peanut Butter & Jelly

 5月にバンド初披露のあと、アルバム発売までに弾き語りで何度も聴いた、覚えちゃうくらい。歌詞を起こして反芻したりした(←珍しく空耳はほとんどなかった)。森の中を彷徨っているイメージ。この MV がとてもいいね。メンバー出てこないけど、黒い帽子をかぶった女の子が直枝さんとダブる。



 歌は森の中を彷徨っているところまでだけど、MV ではその先を見せてくれている。黄色から青に変わる信号、男の子に耳打ちされてるときの女の子の嬉しそうな表情、そして日傘を捨て駆け出す女の子。たまらん、たまらんよ。

 この MV は、最後の「VIVRE」の力強さに続いている気がする。この歌は早い段階でできた歌だから、もしかしたら、「VIVRE」できた後に、この歌の続きができたのかな? とも思った。制作期間短かったけど、このアルバム作るうち、直枝さんの中で変化があったとも言っていたし。とても愛しい歌、そして MV です。

3. ハンマーロック

 「ここで技かけないで〜」 初聴の儀式、ヘッドフォンで聴きつつ歌詞カード先を見ないように追いながら、ここで爆笑した。声出して笑ったよーー。このへなちょこな感じもまたカーネーション。最初の 2曲はライヴで聴いてた曲だったから、さてココからと、ものすごく緊張して聴いてたので力が抜けた。聴きながら、しばらく思い出して笑ってた。最高過ぎる!

 このアルバムの、だから最初の印象はこの曲のこの衝撃、と言ってもいいくらい。ものすごーく分かりやすく楽しいアルバムだなって思った。やー参った参った、ありがとう!と訳もなくお礼を言いたいくらい。

4. Little Jetty

 大田さん、やさしくっていい声だなあ。大田さんの声の一番いいところが出るように、というとおり、ほんとに大田さんの声が気持ちいい。いつか大田さんのギターの弾き語りも期待しちゃうぞ。直枝さんがコーラスなわけだけど大田さんぽくなる不思議。いつもは大田さんが直枝さんの声に似せているんだね。なるほど。

 大田さんが歌ってるからかもしれないけど、最初グランドファーザーズぽいなって思ったんだよね。ギターの音とかフレーズとか。あと、歌詞が割と苦労したと言ってたけど、「鳥かご」ってキーワードは前から気になっている。

5. 夜の森

 江ノ島で最初に聴いてすぐに、あの桜プロジェクトの日の夜、夜の森の桜並木で歌ったときの歌だなと分かった。あの時は、あれだけは、時間や交通手段など勘案してどうしても観に行けなかった。その光景を見ることができていたら、もっとリアルにその気持ちを感じることができたのかな。

 美しいコード進行に美しいメロディ、スローモーションで花びらが舞う様子が思い浮かぶ。なんていうか、このメロディにこの歌詞、というのが見事にマッチしているなーと思う。よりグッとくる。その光景を見てどんなふうに感じたのかがぎゅーんと伝わってきてしまう、歌。

 あの後テレビでその桜並木の特集をしていて、その日集まってきた人の話などいくつか知った。子供たちははしゃぎまわっていて、大人たちもみんな明るく楽しそうで再会を喜び合い、それが、そのいろんな悲しみや切なさの上にあるものだなと思ったらたまらない気持ちになった。

6. Younger Than Today

 最初ちょっと、カーネーションぽくないなって思って驚いた。コード進行のせいかなあ。珍しいよね、こういうあったかいフォークっぽいコード進行。分かりやすい歌詞も、ああ伝えたいのだなと思った。ひとつひとつの言葉に、直枝さんの通ってきた道筋を思い出し、若い世代に昔の自分を重ねているのを感じる。優しいなあ…。

 何でもないと 気楽にふるまって
 ぎりぎりの感情を見つめてみよう

 ああ、そんなこともあったよね。そういうのを全部音楽にしてきたんだ。それを全部、私たちは受け取ってきた。もちろん、私たちの知ってることなんて表に出てることだけだけど、そのときそのとき、どんな思いで乗り越えていったかとか、それこそ若い世代は知らないだろうことを、私たちはずっと見てきたんだという優越感(笑)。直枝さんだから歌える歌、なんだろうな。いや、これは大田さんが歌っても似合うと思う!

7. 金魚と浮雲

 かっこいいタイトル! アルバム収録曲のタイトルだけを見て、最初短編集みたいだな〜と思ったのだけど、この曲や「夜の森」からかな。どんな曲か想像もつかなかったけど、おもしろい〜。間奏の「フッッ!」っていう気合の掛け声にまた笑う。なんとなく「砂漠にて」の続編のような気がしたのはマンドリンやスライドギターのせいかな?

 歌詞も何巡目からかまたじわじわきている。…のだけど、「山小屋」ってなに(笑)。

8. Girl

 「その一瞬」て、分かるなあ。私もその一瞬で落ちたことあるもの、高校のときね、ブラウン管越しにね、バチッとウィンクされたんだよね(笑)。

 聴く前から Girl の歌詞が!という人が居たのでとても気になっていた。んもーニヤニヤするしかないね。こういうとこあるから私みたいな気持ち悪いファンにも手を振ってくれるのよね。淡々と刻むリズムが気持ちいい。歌も淡々としてるようで内側は沸々としている。「脱がないでくれ」のところ、ボソッと言ってる感じのメロディがイイ。

 それとチャイニーズなフレーズと、この歌詞ページのネオン、これは群馬県太田市の某国道沿いなんだけど、台って字が見えるから台湾なのかなって思っちゃったよね。最初の台湾語もあるし。私超地元なので、この場所特定しました。今度巡礼行ってくる!

9. Suspicious Mind

 弾き語りで最初に聴いたときに浮かんだ景色は「UTOPIA」の PV。なんでかなと思って見なおしたらナルホドなんかつながってる感じがする。あとは 「For Your Love」かな、なんかちょっと怖い寒い感じ。けどごつごつしててカッコイイ。こういうのもカーネーションぽい、ひとつの色かな。

 あと 「疑わしい」ていう響きがね、このアルバムで唯一ドキッとするというか、マルチモーダルな感じだなと思った。

10. Please Please Please

 「この上ない道草」ってなんて甘美な響きなんだろう。ゴージャスでドラマティックな展開で物語の中に引き込まれる。迫りくる切なさ。景色がハッキリ見える。

 歌詞やメロディの乗り方がちょっと珍しい感じで、カーネーションぽくないなっていうか、最初はだれか他の人のために書いた曲なのかな?って思った。だけど、これはラストスパートで書いた曲のひとつとのことで、曲を書く上でいろんな制約事項を取っ払った、というところのひとつなのかな。

 なんていうか、いい歌過ぎるのよ。とにかくメロディが!大きなメロディという言い方してたかな、ここまで惜しげもなく 1曲に使うのか、というくらい。

11. VIVRE

 この歌の感想を、どんなふうに書いたらまとまるんだろう(笑)。やわらかいドラムとストリングス&ホーン、歌いだしの「と」の声。サビのとこのメロディとコード感がたまらなく好き。そしてそこに乗る歌詞がまた絶妙すぎてきゅんとする。ここに差し掛かると何やっててもじわっと来る。「あなた」っていうのがまたドキッとするよね。

 未来なんてどうにでもなるから
 今を生きよう

 ちょっと歌詞のとおりではないけども、なんかもう、これなんだよなー。直枝さんが長いこと纏っていた大きい何かが、ふっと軽くなったように思う。なんかいろんな想いが巡って泣けた。そして、ぎゅっとハンドルを握りしめて明日へ向かうのだ。なんて力強いんだろう!と。

* * *

 発売前、何曲かライヴで聴かせてくれた曲は、時間に対する焦りみたいな、ちょっと切ない感じが多くて、どうしちゃったのかな、と感じてたけど、最後の「VIVRE」にたどり着いたということ、とても嬉しかった。嬉しかったというかよかったなというか、ああ、そういう境地なのね、という。なんかとてもすっきりした感じで、安心した。

 短い制作期間だったけど、アルバム作ることで内省してって、たどり着いたところなんだろうな。だから「Peanut Butter & Jelly」の MV もそうなのかなって思ったんだ。

 だからね、発売されてすぐだだーーっと全曲感想書いちゃえなかったことちょっと後悔してる。だって感じることがどんどん変わっていくんだもん。最初のほうの自分のメモとか、いや違うわこれ、とか思ってもうまとめらんないわ(笑)。

 最初に曲目リストを見たときに、短編集の目次みたいと思ったのだけど、聴いてみてまさしくこれは短編集だなと思ったの。1曲 1曲のちいさな物語が集まっている。今までは全体でひとつの物語、みたいな印象があったけど、今回は、それぞれの曲の景色が全然違って完結していて、短編集だなと思ったの最初。軽快で愉快な、それこそ明るいアルバムだなって。

 だけど、聴くほどにじわじわと沁みてきて、最初は気づかなかったところに気持ちが動かされたりして。これは、前作『Multimodal Sentiment』とある意味、逆…?

 前回は、タイトル通りの感情にばーんとやられてちょっと、どーしたらいいんだろうと思ったけど、今回はわはは!まいったなーもう!と思わせといて、あとから感情の部分がじわじわやってきた。景色は違うけど一貫している。どこを切ってもこれは今の直枝さんなんじゃないかって。「VIVRE」に続く、というところに妙な納得というか、「今を生きる」という力強さを得たということに泣ける。

 過去に戻ることはできない、だけど、未来なんてどうにでもなるから。取り戻せない日々もあるけど、大丈夫、この続きから始めよう。今を、今を生きるのだ。

 …という 2行が、なんだかんだ言ってもこのアルバムについての感想っていうか、受け取ったもののほとんど、かもしれない。もちろん細かくはいろいろあるよ。コンディションによっても、今でもあら? と新しい思いがふと湧くこともある。

* * *

 さーこれからツアーだね! 今回はキャンペーンに大田さんがあまり参加されなかったことが残念だった。参加してもゴーヤ(シェーカー)だけだったりとかさ。前回は大田さんベースでのふたりカーネーションで結構回って、それがすごーく良かったから。

 カーネーションはふたり組だよ。曲を作るのは直枝さんだから直枝さんばかりが表に出ちゃうけど、制作中の大田さんの話を聞いていると、直枝さんの想いを受けてそれを形にしようというワクワクがうかがえる。そしてすごく、ミュージシャンらしいミュージシャンだなと思う。カーネーションは今いろんな編成でライヴするけど、それが毎回ちゃんと「バンド」だなって思うのは、大田さんによるところが大きいのだ。

 今度のツアーは矢部さん、松江くんに藤井くん。さーーーー追っかけますぜ!

Live Tour 2017 "Suburban Baroque"
カーネーション Live Tour 2017 "Suburban Baroque"

Tour Member:直枝政広、大田譲、矢部浩志、松江潤、藤井学

    名古屋公演 2017年11月18日(土) 名古屋 CLUB UPSET
    大阪公演  2017年11月19日(日) 大阪 Shangri-La
    東京公演  2017年11月24日(金) 東京キネマ倶楽部
    札幌公演  2017年12月 1日(金) 札幌BESSIE HALL
    福岡公演  2017年12月 9日(土) 福岡LIVEHOUSE CB

『Suburban Baroque』(サバーバン・バロック)
2017年9月13日発売 全11曲収録

      01. Shooting Star
      02. Peanut Butter & Jelly
      03. ハンマーロック
      04. Little Jetty
      05. 夜の森
      06. Younger Than Today
      07. 金魚と浮雲
      08. Girl
      09. Suspicious Mind
      10. Please Please Please
      11. VIVRE

posted by あや at 02:10| Comment(0) | カーネーション | 更新情報をチェックする
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